こんにちは、MRCの平松です。
マンションの大規模修繕工事について管理会社などに一任している方は少なくありません。
しかし、管理会社や設計事務所が作成した調査報告書や設計内容について、どのように決められ、どれくらいの費用が目安なのか気になりませんか?
そこで、大規模修繕工事に対してセカンドオピニオンを提供する建築士事務所などのコンサルティングサービスを受けられることがおすすめです。
マンション大規模修繕工事、長期修繕計画、セカンドオピニオンに関するご相談はこちらまでお問い合わせ下さい。
大規模修繕におけるセカンドオピニオンとは?
大規模修繕工事におけるセカンドオピニオンとは、管理会社や設計事務所が作成した調査報告書や設計内容を第三者が確認することを指します。
メリットについては後ほど詳しく述べますが、セカンドオピニオンを導入することで建物に不必要な工事内容を排除したり、工事内容が適切に決められたりするなどの利点があります。
セカンドオピニオンがおすすめの方
下記の項目に少しでも当てはまる場合、大規模修繕工事にセカンドオピニオンを取り入れることがおすすめです。
- マンションの管理組合員の中に工事の専門家が存在しない
- 管理会社の改修工事見積もりが内容に妥当性を感じられない
- 管理会社元請方式の改修工事に違和感を覚える
- 大規模改修工事を管理会社に任せるほどの信頼感を持てない
- 管理会社と施工業者・設計事務所が癒着、マージン上乗せをしている
- 信頼できる設計事務所を知らない
- 管理会社の見積もりを精査してほしい
- 本当に大規模修繕工事が必要なのかどうか知りたい
- 大規模修繕工事について、組合員や住民の合意形成ができない
大規模修繕におけるセカンドオピニオンの重要性
ここからは、大規模修繕工事におけるセカンドオピニオンの重要性について解説します。
大規模修繕工事の内容が不透明となる可能性を排除できる
管理会社に一任しても実行できる大規模修繕工事に、わざわざセカンドオピニオンを入れる必要があるのか疑問を持つ方もいます。しかし、管理会社と設計事務所・施工業者などとの癒着は社会問題になっており、工事内容に透明性を保つことは重要なのです。
癒着がある設計事務所が作成した設計概算金額が高い場合、マージンが上乗せされている可能性があります。このような不適切性を排除できるのが、管理会社などと関係性を持たない第三者によるセカンドオピニオンです。
理事会や組合員の合意形成の支援が受けられる
経験豊富な建築事務所からセカンドオピニオンを受ける場合、工事内容の妥当性を評価するだけでなく理事会や組合員の合意形成の支援を受けることができます。
大規模修繕工事は、マンション工事の執行権者である理事会や委員会、組合、また数十から数百戸にも及ぶ住民の合意形成が求められます。この過程を管理会社から依頼された業者に依頼した場合、合意形成がうまくいかないリスクがあります。
管理会社が依頼する業者の中には、施工技術があっても合意形成方法に長けていないところも少なくありません。しかし、大規模修繕工事には人間関係も含めた調整は必須なのです。
この点、合意形成も含めたセカンドオピニオンの実績がある建築事務所を選ぶことで合意形成プロセスを円滑に進められます。
施工業者の業務について第三者から評価を受けられる
管理会社の場合、長期修繕計画書に基づき修繕の必要性を紋切り型で判断することが多く、調査診断報告書の作成もマンションの実態に沿っていない可能性があります。
この場合、本当は必要ではなかった箇所も工事計画に含まれることになり、費用が膨らむことが考えられます。
セカンドオピニオンの目的の1つは工事内容の妥当性の判断なので、こういった不必要な工事を排除し、建物の実態に応じた大規模修繕工事を実行することができるのです。
設計監理者の業務の適切性が評価される
修繕工事にあたっては、設計監理者が中心となって業務を遂行していくことになります。しかし、透明性が担保されない状態での修繕では、管理組合などが実現したい修繕工事に沿って業務が行われているのかどうか見えにくいものです。
大規模修繕工事のセカンドオピニオンを導入することで、場合によっては設計監理者の業務遂行状況の評価も行ってもらうことができます。工事内容についても設計管理者と第三者によるダブルチェックが行われることで、大規模修繕工事の設計内容に沿った施工がなされるようになります。
大規模修繕でセカンドオピニオンを受けないことのリスク
ここまで大規模修繕工事におけるセカンドオピニオンの重要性を説明しましたが、手間や費用を考えると「それでも管理会社に一任したい」と感じる人もいるかもしれません。
そこで、本項では大規模修繕でセカンドオピニオンを受けないことのリスクについて解説をしていきます。
管理会社の工事提案書がそのまま工事に反映されてしまう
大規模修繕でセカンドオピニオンを導入しない場合、基本的には管理会社が提出した工事提案書に基づいた工事内容で施工が行われます。
提案書の内容が適切であれば問題はありませんが、建物の実態に沿っていなかったり、施工業者・設計事務所との癒着により工事費が上乗せされている可能性があります。
工事提案書の内容について、その妥当性を判断できる専門家が組合などにいない場合には第三者の助言を受けるべきでしょう。
工事費が割高になってしまう
また、管理会社に大規模修繕工事を一任する「管理会社元請け方式」では、工事費が割高になる可能性があります。多くの場合、管理会社が修繕を依頼する業者は決まっており、競争原理が働かないため費用が高くなる傾向にあるからです。
第三者である建築事務所などにセカンドオピニオンを依頼すると、業界目安と提案書の工事費を比較した上で妥当であるかを判断してくれます。このため、結果としてセカンドオピニオンを受ける費用を含めても、管理会社元請け方式場合が多いのです。
大規模修繕におけるセカンドオピニオンのメリット
大規模修繕工事に対してセカンドオピニオンを入れないことのリスクについてはご理解いただけたでしょう。
本項では、重要性も踏まえ、リスクを解消するためにセカンドオピニオンが必要であることをお伝えするため、6つのメリットを解説します。
工事費と工事品質の不透明を改善
管理会社元請け方式・責任施工方式の課題は、工事提案書や調査診断報告書に対する工事費や、実際に行われる工事品質の妥当性が確認しづらい点にありました。
セカンドオピニオンは、管理会社や設計事務所、施工業者とは無関係の立場から確認・助言が行われるため、大規模修繕工事における不透明性を排除することができるのです。
また、管理会社元請け方式・責任施工方式でも厳正に診断・工事内容の決定がなされることはあり得ます。しかし、そのような場合でもダブルチェックが入ることで不必要な工事内容が発見される場合は少なくありません。
設計監理者のチェックが受けられる
設計監理者は計画通りに施工が行われているか確認する役割であり、この立場の者が修繕計画を遂行しなければなりません。しかし工事の透明性が担保されない場合、設計管理者の業務に滞りが出ても気付くことができません。
大規模修繕工事の知識・技術に長けた建築事務所にセカンドオピニオンを依頼することで、設計監理者による業務遂行評価を得ることができます。これは結果として、大規模修繕工事を計画通りに進めることにもつながります。
理事会間や住民間の合意形成が支援される
合意形成については前述しましたが、特に戸数規模が大きいマンションの場合には管理組合による区分所有者の合意形成に困難が伴います。また、高層階と低層階では区分所有者の世帯収入や価値観にギャップがあることも障害となりやすいです。
しかし、大規模改修工事は、大きな金額が動く工事であるため確実な合意形成が必要です。その工法を採用した理由、費用の妥当性などについて納得感のある説明ができるように支援を受けられることも、セカンドオピニオンを受ける大きなメリットです。
中立的な立場から適切な助言が受けられる
管理会社が長期修繕計画を作成した場合、建物の実態よりも計画に沿った提案がなされる場合が多いです。しかし、中には計画よりも劣化が進んでいることもあれば、そうでない場合もあります。
適切な時期に適切な修繕が行われなければ、住民の安全性や資産価値の維持ができなくなります。このようなリスクを避けるためにも、建物の現状と調査診断報告書を鑑みて正しく判断してくれる第三者の存在が重要となります。
大規模修繕工事に対する問題点と解決策を提案してもらえる
マンションにとって大規模修繕工事は必須ですが、ここまで述べたような費用のかさ増し、工事内容の不透明性、合意形成の難しさなど様々な問題が存在します。
こういった問題を専門性の乏しい組合や委員会で解決することは難しく、結局は管理会社など一任する業者へ全て任せてしまうことになっているのではないでしょうか。
この点、建築会社などコンサルティングを行なっている業者にセカンドオピニオンを依頼することで、大規模修繕工事に対する問題やその解決策について教えてもらうことができます。
大規模修繕工事が本当に必要か診てもらえる
前述の通り、管理会社などに一任したマンションでは長期修繕計画書をもとに、紋切り型で工事が行われる場合が少なくありません。
このため、本当は不必要な工事内容が提案書に組み込まれたり、修繕が必要な箇所に対しての工事が見逃されたりするなどのリスクがあります。
このような状態を放置すれば工事費が膨らむばかりか、住民の安全性や資産価値の維持ができなくなります。
一方セカンドオピニオンを導入すると調査報告書や設計内容を確認してもらうことができ、本当に必要な大規模修繕工事が実現されます。10年〜15年に一度の工事ともなるため、修繕が適切に行われるように留意する必要があります。
セカンドオピニオンは第三者へ
大規模修繕工事にセカンドオピニオンを導入することをおすすめしました。とは言え、第三者から助言が受けられるなら何処でも構わないというわけではありません。
責任を持って調査報告書や設計内容を精査することができる経験や技術力と、合意形成に関して熟知した建築士事務所に依頼することが重要です。
セカンドオピニオンの必要性を少しでも感じられたのであればお気軽にお問い合わせください。
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