こんにちは、MRCの平松です。
長期修繕計画書という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
長期修繕計画書とは、将来的に行われる修繕工事を計画し、必要な費用を算出し、月々の修繕積立金を設定するために作成するものです。
こちらを参考にしながら、お住まいの大規模修繕工事の計画を進められる管理組合の方もいらっしゃるでしょう。
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長期修繕計画書について
長期修繕計画書とは、将来的に行われる修繕工事を計画し、必要な費用を算出し、月々の修繕積立金を設定するために作成するものです。
マンションと一括りに言っても、マンションが置かれている場所、気候、築年数などによって計画がかなり変わってくるため、綿密に計画が立てられます。
長期修繕計画書の内容について
では、ここからは長期修繕計画書の具体的な内容に触れていきたいと思います。3つの項目に分けて説明していきます。
①費用
修繕が必要な箇所を「推定修繕工事項目」としてまとめ、以下のような項目についての費用がまとめられています。
- 屋根防水
- 床防水(バルコニー、開放廊下、階段など)
- 外壁塗装等(コンクリート、外壁、タイル、シーリングなど)
- 鉄部塗装等
- 建具、金物等(手すりや鉄階段、集合ポストなど)
- その他
これらの工事項目に対して、過去の修繕履歴などから工事単価を設定し、工事量に沿って推定の修繕費用を算出し、長期修繕計画に反映させていきます。
この中でも、鉄部や外壁目地のシーリングなどは、外壁や機械設備に比べると劣化がやや早い傾向にあるため、場合によっては、大規模修繕工事以外で補修を実施しなければなりません。
修繕期間
長期修繕計画は、25年〜30年以上の計画で建てられることが国土交通省によって推奨されています。
管理組合は、約25~30年先の修繕計画について、常に予測し、修繕積立金や劣化の進行状況に応じて見直しを行わなくてはなりません。
長期修繕計画内の収支
大規模修繕工事は一回あたり約1000~3000万円ほどの費用がかかります。
無理のない範囲で適切に行うために、長期修繕計画の中では、修繕の収支計画を作成します。
大規模修繕工事では管理組合から徴収する「修繕積立金」が充てられることになります。
しかし、工事の規模やタイミングによっては、修繕積立金だけでは工事費用が賄えないこともあります。
その場合、一時金の徴収や借り入れも検討しなくてはなりません。
一時金の徴収などは管理組合からの反発、大規模修繕工事の遅れなどを生じさせる恐れがあります。
そこで、実際の修繕積立金の累計額に応じた収支計画を立てておく必要があります。
長期修繕計画の作成の方法は?
先ほども触れましたが、マンションの状態によって計画はかなり変わってきます。どのマンションも全く同じ内容にならないと言うことです。
また、作成方法に関しては管理会社に委託したり、コンサルタントに委託をしたりします。金額に関しては会社や個人によって異なることが多いです。
では、上記の内容以外に長期修繕計画書が必要な理由を紹介していきます。
①今後の支出や工事について把握するために必要
マンションの維持にはマンションの状態を良くするためのメンテナンスを定期的におこなわなくてはいけません。
マンションのメンテナンスには、工事など大規模なものも含まれてくるため金銭的な負担も大きくなってきます。そのため、マンションの未来を見据えて今後の支出等を把握するためにも長期修繕計画は必要になってきます。
②積立金について証明をするために必要
マンションを維持する年数が増えていくほど、マンションの工事やメンテナンスの回数は増えていきます。これはどのマンションも共通しているところです。
マンションを建設する際に修繕積立金というものを設定しますが、基本どのマンションでも初めに設定した金額では後々不足してしまうことが多いです。
そのため長期修繕計画を作成する際に、修繕積立金の見直しも頭に入れておくと良いでしょう。
③そもそも積立金って?
そもそも積立金とは何なのでしょうか?
先ほど紹介した通り、修繕積立金はマンションのメンテナンスや改修工事のために使用する資金のことを言います。
だいたいマンションは10年程度で大きい工事を行うためその際にこの資金を使用するケースが多いです。
修繕積立金に関してですが賃貸マンションの場合はそのマンションのオーナーが全負担するケースが多いですが、分譲マンションにお住まいの場合は所有者が積み立てておくケースが多いです。
修繕積立金の毎月の平均は10,000円前後が多いです。
また、修繕の計画がしっかりしていなかったりすると値上げしてしまう可能性もあります。
④工事を効率的に進めていくため
長期修繕計画を行うことによって大規模工事などを事前に予測して計画を立てることができます。
そのため、実際工事をおこなう場合計画を立てておくことで効率的に進めていくことができます。逆に計画を立てていないとスムーズに進めていくことができなくなります。
まとめ
本記事では、大規模修繕工事で用いられる長期修繕計画書について説明しました。
管理会社や施工業者に全てを任せる前に、一度ガイドラインを読み解き、適切に計画がなされているのかを一考することも重要です。
もし長期修繕計画書など、大規模修繕工事において懸念があるのであればコンサルティング会社である弊社にご相談ください。
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